みなみのしま

プレゼント

「たっだいまー!」
「お帰り、さん。」
僕が土屋博士のところにお世話になって数週間。
さんとは良く話すようになった。
「J!聞いてよ!今日学校でさ・・・・」
さんは学校から帰ってくるとすぐ僕の部屋に来てくれる。
それでひとしきり喋った後、夕飯の支度をするために台所へ行く。
最初は、僕がただ物珍しいから話しかけてくるんだと思った。
だから無視してればそのうち飽きるだろうと思って、
さんの話してる横でミニ四駆いじったりしてた。
でも、毎日毎日さんは話をしに来てくれて。
僕がミニ四駆いじってようが、お構い無しに。
一方的に話してくる。
そして最後は『夕飯は8時からだから、遅れんなよ!』
と、言って部屋を出て行く。
そんな日が毎日毎日。続くにつれて、僕も段々慣れてきて。
さんの話をちゃんと聞くようになった。
さんも、僕が話すととても嬉しそうにしてくれる。

今思えは、さんは僕の心を開くために頑張ってくれてたんだね。

「――――――でね!ムッカつくでしょ!だから蹴っ飛ばしてやったよ!」
「あはは、さんは強いんだね。」

だから、最初に聞いてあげなかった分今いっぱい話を聞いてあげようと思って。
僕は毎日さんとお話をしている。

「あ、そうそう・・・J!」
「はい。」
さんは、またひとしきり喋った後夕飯を作るために部屋を出ようとした。
が、ドアノブに掛けようとした手をポケットに持っていった。

「プレゼントだよ!」

そう言って、さんは鍵を僕に渡した。
チェーンがついていて、首から下げられるようになっている。
「・・・さん・・・これ・・・。」
手渡されたのは、家の鍵だった。
「家を出るときは、玄関から!鍵はちゃんと閉めるんだよ?」
そう言ってさんはにっこりと微笑んだ。
「・・・ありがとう。」
僕はさんに抱きついた。
こんなに嬉しいプレゼントは、生まれて初めてだった。

「ここはもう、Jの家なんだからね?」
そう言って僕の頭を撫でるさんの手はとても暖かかった。


++++あとがき++++
とりあえず、烈・豪・りょう・二郎丸の夢を書き終わり。
最後Jの夢を書きたくて。悩んでいた時。
プレゼントというお題を見て、Jにとって、家の鍵を貰う事って嬉しいんじゃないか!?
と思いついて書いた代物。
家の鍵をもらう=家族として信頼されてる。みたいな。
トライダガー盗まれる話では窓から出てたしね。
ヒロインちゃんはそれを知ってるから、「玄関から!」と言ってるのだよ。

2007/12/30