「遅れらーーー!」
6月
。
現在18歳
職業
「うわっ!」
「あだっ!」
女子プロレスラー。
プロローグ〜零〜
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「あ、はい、大丈夫です・・・。」
はぶつかった少年に手を伸ばす。
少年は女性の手を取って立ち上がる。
「って!ごめんなさい、急いでるので!」
はペコリと少年に頭を下げると、
走り去った。
「・・・あ・・・。」
少年は気付く。
自分の足元にピンク色の可愛らしい長財布が落ちている事に。
「お、おねーさん!待ってください!!」
少年は財布を持って走り出した。
****
「ひゃーっ!こりゃギリだね。」
は腕時計を見ながらひたすら走る。
その後ろを、先ほど彼女が衝突した少年が追いかける。
「はぁ、はぁ・・・お姉さん・・・なんであんな速いんだろ・・・」
少年はぜーはー言いながらも頑張って追いかけた。
体力に自信があるものの、足の速さはどうやら彼女の方が上らしい。
後姿を見失わないようにするのが精一杯だ。
そうこうしていると、駅が見えてきた。
はカバンをあさりながらダッシュする。
「定期定期!・・・て・・・あれ!?さ、財布!!!」
しかし、探し物は見つからない。
速度を緩め、切符売り場のすみっこでカバンの中を漁る。
「ないないないないない!!!!!
どういう事よ!
財布忘れたのかな・・・いやでも家出る時確認したよ。
何で何で!」
半泣きになりながら、はごそごそとカバンを漁る。
「あ・・・あ・・・あの!!!」
「ほぇっ!?」
その時、聞きなれない声と同時に肩を叩かれた。
びっくりして振返ると。
「こ・・・これ・・・落とし・・・ました・・・」
ぜーはー言いながら、男の子が財布を差し出してきた。
「あーー!!私の財布!!
・・・キミは、さっきの!・・・・わざわざ届けてくれたの?」
「は、はい。急いでたし、困るだろうと思って・・・。」
「ありがとう・・・本当に助かったよ。
はお礼を言うと、財布から1枚紙を取り出した。
「キミ、名前は?」
「あ、幕之内一歩です。」
「幕之内君ね。わかった。これ、私の連絡先だから。
今度ご飯でもごちそうするよ、今夜連絡ちょうだい。
それじゃ!」
「え、あ、はい。」
一歩の返事が聞こえたかどうか。
わからないくらいの勢いで、彼女は駅に吸い込まれていった。
「・・・ZERO・・・?」
名刺には、電話番号と書道のようなとても達筆な字で【ZERO】と書かれて居た。
そして下には小さな文字で【DAWN女子プロレス】と書いてある。
「・・・女子プロレスの選手・・・なのかな?」
一歩は名刺をポケットのしまい、駅に背を向けた。
++++あとがき++++
まぁ連載というか・・・基本同一ヒロインで小説を書いてるので。
そのヒロインと一歩君たちのいきさつです。
メインストーリー、軸になるストーリー。
ここを基点に、他の短編で肉付けしてみたいな。
2008/02/03