みなみのしま


めがねと白衣は無敵のアイテムだと思う。


「いや、だからメガネって何かこう・・・
人をひきつける魅力っていうか・・・何かあるんだと思うんだよねぇ。」
「ねーよ。」
「バッ!あるよ!」
「まぁまぁ、落ち着けよちゃん。煮卵あげるから。」
「ありがとう青木。木村のバーカ!バーカ!!」
「ガキかてめーは!!」

ここは青木のバイト先のラーメン屋。
何を熱く語っているかと言うと。
「めがねは萌えアイテムなんだよ!!!」
という事らしい。
「一歩!」
「ふぁ・・ふぁい・・・」
隅っこで(関わりたくないので)ずるずるとラーメンを食べていた一歩はビクッと肩を反応させる。
「いいか、私の質問に正直に答えなさい。」
「は・・・はい・・・。」
「まずは目をつぶって深呼吸・・・はい、想像して!

久美ちゃんが三つ編みでメガネかけて本を読んでます。」

一歩の脳裏にもやもやーっと何かが浮かぶ。
『一歩さん!』
キラキラと輝く背景に、メガネをかけた久美ちゃんの姿。


「・・・さん。めがねは素晴らしいです。」
「だろ!!」
「一歩、調子に乗るからあまり構うな。」
「何よ!!達也がメガネかけたら私惚れるかもよ!!」

ピシャーン!!

木村の中に稲妻が走った。

「あ、ちょっと考えた。」
「考えてねーよ!!ありえなさすぎて固まっただけだ!!」
「あっそ。
あとは白衣かなぁ〜♪メガネに白衣なんてもう見ただけで卒倒しそう!」
うっとりと妄想にふける
木村はジト目でを一睨みするが、本人はいたってマイペース。
そして、カバンから何かを取り出した。
「うわっ・・・なにすんだよ!」
「あは!達也似合うじゃないですかぁー!」
無理やり木村に押し付けたのは伊達メガネだった。
「なんでこんなモン持ってんだよ。」
「や、皆にかけて楽しもうと思って。私が。とゆーわけではい、一歩。」
「え、ちょ・・・」
「わぁ〜・・・一歩は可愛いね!」
ほわわーんと、の周りに花が飛んでいる。
ちゃん!俺は?俺は?!」
木村が外したメガネをかけた青木が自分を指差す。
「・・・青木は・・・似合わないね。」
「なんだよそれエエエェェ!!!」





「あ、そろそろ帰らないと。」
「なんだ?用事でもあんのか?」
「うん、もうすぐ試合だから調整とかね。」
「なるほどな。
ま、お前に限って変質者につかまるとか無いとは思うけどよ。
送ってやるよ。一歩も一緒にな。」
「マジで?やったー!」
「あ、僕走って帰るんで遠慮します。」
「じゃぁ、荷物だけ持っていってあげる。」
はそう言って一歩の荷物を肩にかける。
「すみません、ありがとうございます。」
「いいって事よ。じゃ、青木!ご馳走様!!」
「おう!気をつけて帰れよお前ら!」
「ご馳走様でした。」
「じゃぁな!」

***

「達也、メガネ似合ってたよ!」
「へーへー、ありがとうござんしたー。」
「何よ、もっと喜んでもいいじゃないの。褒めてるんだからねぇ!」

そう言ってフン!とそっぽをむく
俺は「わかったよ、俺が悪かった!」と言っての頭を撫でてやると。
は「しょーがないから許してあげよう!」と言って笑った。

・・・ま、こいつが望む事なら。

時々メガネかけてやってもいいかなと思った。

「ありがとう!送ってくれて。」
「いいって、じゃ、またメシでも食いに行こうぜ。」
「うん、おやすみなさい!」
「おう。」

は、俺の車が見えなくなるまで手を振り続けていた。

「・・・今度会うとき、メガネしてってやろうかな。」
あいつは笑うだろうな、と俺は独り言を言いながら。
自分の家へ向けて車を走らせる。

++++あとがき++++

何かギャグ甘書きたかったねん(・ω・)
管理人メガネっ子の彼氏しか出来たことないねん。
そして「いいなぁ」って思う人みんなメガネやねん。
それは深層心理でメガネを求めてるってことかと。
だからネタにしてみた。

2008/3/10